第2番からは、音楽用語もいくつか書かれていて、より高度な表現が求められるようになります。
何となく練習を始めてしまうと、「実はこうやって吹かないといけなかった!」と後になって気づくことも…
手間に感じるかもしれませんが、まず最初に隅々まで楽譜を読むことがタイムロス防止につながります。
このコラムを読むだけでも全体の流れがつかめると思いますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね♪
さすが第2巻。
第2番から容赦なくシャープ3つをつけてきました(笑)
臨時記号がなく、最初の2小節間に「ラ・ド#・ミ」で構成される分散和音があることから、イ長調(A-dur)だということが分かります。
テンポはAllegro moderatoなので、アレグロとモデラートの中間ぐらいの速さとのこと。
♩=116~120といわれていますが、厳密にそのテンポにする必要はないと思います。
というのも、16分音符が連続するこの曲を♩=116で吹いたら、Allegroだと思われる可能性もあります。
「tranquillo=穏やかに、心安らかに」という指示もあるので、♩=108前後がちょうどいいのではないでしょうか。
実際にメトロノームに合わせて歌ってみると、しっくりくるテンポが見つかりやすくなります。
この曲は休符から始まる形です。
1拍目の裏に最初の音がくるので、前回に解説した「シンコペーション」のリズムです。
さらに2小節目もシンコペーションのリズムになるのが分かりますか?
4番目の16分音符からスラーがかかっているので、2拍目の頭ではなく1拍目の最後が強くなりますよね。
本来弱く演奏される4番目の16分音符が強く演奏されることになるので、弱拍と強拍が入れ替わる「シンコペーション」のリズムになるというわけです。
この形のリズムが第2番の基本パターンになっているので、メトロノームに合わせてよく練習しておきましょう!
ここは臨時記号が多いですが、丁寧に書かれているので漏れがないように読んでいきましょう。
後半はフラット系にも聞こえて、耳から入ってくる情報と目から入ってくる情報が違うように感じられるので、混乱しやすいポイントです。
耳・目・指が慣れるように意識しながら、繰り返し吹いてみてくださいね。
このフェルマータ前は難易度高めですよね。
ただでさえ幅の広い跳躍なのに、しかも低音域を鳴らさなきゃいけないのは大変です。
まずは「ソ#・ファ#」の組み合わせがやりやすいと思いますので、そちらから練習していきましょう。
この練習で大切なのは、とにかく良い「ソ#」をキープし続けることです。
同時に、上の音のほうが大きくならないように気をつけながら行いましょう。
最初のほうは簡単なので2回、後半は難しいから4回など、繰り返す回数は調整してください♪
そしてさらに難しいのが、赤枠で囲った跳躍です。
ついつい「ミ・レ」と「ソ#・ファ#」でひとくくりにしがちですが、「ファ#・ミ」は1オクターブ以上離れているので難易度MAX!
これを攻略するには、先ほどとは逆に上から下へ広げていく練習方法がおすすめです。
この練習も、繰り返す回数はそれぞれ調整していただいてOKです。
注意したいのが、喉を使って音を安定させようとしていないかどうか。
音は出しやすくなりますが、なめらかに演奏できなかったり、緊張したときにうまくいかなかったりします。
ですので、練習中は喉を使いすぎないように気をつけておきましょう♪
その後同じメロディーが続き、さまざまな調の分散和音を重ねながら短調へと転調していきます。
「incalzando(インカルツァンド)」は、追い立てるように、だんだん強くしながらだんだん速くという意味です。
音の流れからブレスが取りづらい上に音量が上がるので、テンポを上げてサクサク進めてしまいましょう(笑)
ただ、フォルティッシモの最初の音はさらっと過ぎてしまうともったいないので、3オクターブ目のE(ミ)だけ少しテヌートっぽく吹くことをおすすめします。
まとめ
Part1の今回は、転調の手前までを読んでいきました。
この曲は、「難しいのに難しく聞こえない」演奏者泣かせの曲。。。
逆に言えば、簡単そうに吹いているように聞こえたら大成功ということです!
難しい跳躍を取り出して、ていねいに練習していけば、幅広い音域を縦横無尽に吹きこなせるようになるので、少しずつ頑張っていきましょう♪
次回は転調と、最後の段をどうまとめるかをメインに書いていこうと思います。
コメントをお書きください