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チューナーとフルートの音程の話

 

2022年は吹奏楽部員の生徒さんもたくさん増え、部活動の指導にも講師として参加させていただきました。

 

ご縁をいただきました皆様、本当にありがとうございます。

 

その指導中、「チューナー」について気になったことがあったので、久しぶりにコラムを書いてみようと思います。

 

 

チューナーのメリット・デメリット


 

ほとんどの吹奏楽部員さんが持っているであろう「チューナー」。

 

手軽に音程の確認ができて、とても便利ですよね。

 

しかし、チューナーの使い方は気をつけたほうがいいとも聞いたことがあるかと思います。

 

 

私が指導をしていて気になったのは、チューナーの針が真ん中で止まるような音を出している人が多いことです。

 

良くいえば、しっかりとした真っ直ぐな音。

悪くいえば、硬くて厚みがなく、他の音とは混ざりにくい音。

 

一概に悪い音とはいえませんが、万能な音ではないことは確かです。

 

どうやったら音程も音色も良くなるか、プロとして、そして元吹奏楽部員として考えてみます。

 

 

チューナーを使っているときの自分


 

まず、チューナーを使って音程を合わせているときの自分を思い出してみましょう。

 

譜面台にチューナーを置いて、必要があればマイクををつけ、とりあえず軽く吹いてみる。

 

フルートはたいていチューナーの針が右に傾くので、頭部管を少し抜く。

 

それでも右に傾くので、音程が低くなるように口やあごを動かして息の向きを調節する。

 

その間はチューナーの画面をずっと見ている…

 

 

どうでしょう。私の推理は当たっていましたか?

 

 

あなたの理想の音はどんな音?


 

一旦チューナーのことは置いておいて、どんな音を出したいか考えてみましょう。

  • 正確な音程
  • 金管楽器に負けない音量
  • ピアニッシモでもぶれない音
  • ソロを任せてもらえるような音色

ざっくりとこんな感じでしょうか。

 

 

では、普段チューナーを使うときに吹いている音は、どんな音をしていますか?

 

おそらくほとんどの人は、チューナーの針を真ん中で止めることを重視するあまり、音色に意識を向けられていません。

 

これが大きな問題だと、指導を通じて強く感じました。

 

 

音程と音色、どちらも良くするには


 

とはいえ"良い音"を出すと、チューナーの針が右にとても傾いてしまうことがありますよね。

 

そんなときはチューナーの針を真ん中に止める練習ではなく、音程そのものを変える練習をしてみましょう。

 

  1. まずはしっかりとした良い音でロングトーンを出す。
  2. もう一度音を出し、指使いは変えずに音程を下げる。
  3. 何度か繰り返し、半音~全音分下げられるように練習する。

 

フルートはあごを引いたり、息を下向きにしたりすると音程が下がるので、グリッサンドを演奏するように音程を変えます。

 

慣れてきたら、音程を上げる練習もしてみましょう。

 

徐々にあごや唇の柔軟性が高まって、音程も音色も楽にコントロールできるようになります。

 

 

音程は変えられるようになろう


 

そもそも音程というのは、楽器の温まり具合などによって演奏中に変わってしまうものです。

 

それならば最初から音程を柔軟に変えられるようにしておいたほうが、楽だと思いませんか?

 

あわせてチューナーに頼り過ぎず、自分の耳で音程を判断できるようになれば怖いものはありません。

 

吹き方を変えるのは本当に大変ですが、少しでも出したい音を出せるようになったら演奏するのがさらに楽しくなります。

 

ぜひ自分の中にある良い音や出したい音を大切に、練習に取り組んでいただけたら嬉しいです。

 

 

 

 

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