これからいろんな曲に挑戦していこうとしている方々の分岐点となるのが、第2オクターブの「ラ・シ・ド」です。
間のシャープやフラットの音も含むこの辺りの音は、低い音と同じ指使いのため鳴らしにくいと感じる方が多くいらっしゃいます。
一方で何の問題もなく高い音が出るという方もいます。
この違いはどこにあるのか…
今までフルートを始めて吹く方や、十年近いブランクのある方をレッスンしてきて見つけた違いと改善方法をご紹介しようと思います。
【結論】舌の位置を変えよう
自分がフルートを吹いているとき、舌がどこにあるか気にしたことはありますか?
ちょっと試しに楽器を吹くようにフーっと息を吐いて確認してみてください。
特に舌先が歯についているかどうか、ついている場合はどこに当たっているのかを意識してみましょう。
高い音が出しづらいと感じている方は、おそらく舌先がどこにも当たっていなかったのではないでしょうか。
高い音が出ないのは舌が下がり過ぎているから
と決めつけるのは危険ではあるのですが、高い音が出にくい生徒さんに舌の位置を聞くと、皆さん舌先が離れていたと教えてくれます。
そんな生徒さんに「舌先~前側の舌のふちが下の歯に軽く触れた状態で吹いてみて」というと、今までが嘘のように高い音が出るようになるんです。
それぞれ微調整はするのですが見事に音が出るようになるので、今回コラムにしてみようと今頑張って書いています(笑)
上の画像だと舌に力が入りすぎている気がしますが、イメージとしてはこんな感じです。
これだと口の中の空間が狭くなるのが分かりますよね。
なぜ舌が下がると高い音が出ないのか
高い音を出すために必要なのは「息のスピード」です。
同じ指使いでも息のスピードを上げることによって高い音が出ますよね。
そして息のスピードは腹筋や背筋などの吐き出す力の他に、通り道の狭さによって変化します。
水が出ている蛇口やホースの先に指をあてると勢いよく水が飛び出ます。
また、ホースの先をつぶすように持っても遠くまで水を飛ばせるようになりますよね。
これと同じことを口の中で行うと、息の量はそのままにスピードが上がって高い音が出しやすくなるという理屈です。
「息の出口を狭くするなら唇の穴を狭くするんじゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、唇は一つひとつの音がきちんと鳴るように息のスピードや角度の最終調整を行っているパーツです。
そのため頼り過ぎてしまうと疲れやすくなったり緊張したときにうまくいかなかったりする可能性があります。
お腹周りや口の中を整えて息のスピードを上げることで、唇やその周りの筋肉の負担を減らして柔軟に使えるようにしておけるといいですね。
自分の感覚を大切に
舌の位置が上がるとタンギングも早くできるようになるなどのメリットもあります。
しかし、人によっては舌を上げると違和感を覚えるかもしれません。
そんなときは無理をせずにご自身の感覚を信じて、いったん普段通りの吹き方に戻しましょう。
実際のレッスンでは生徒さんの感覚を教えてもらって微妙な調整を繰り返しながら徐々に吹き方を安定させていきます。
今までと違う吹き方に変えるのは簡単なことではないので、気長に少しずつ取り組んでみてください♪
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