フルートを吹いている人はきっと「もうちょっと指が思い通りに動いてくれたらいいのに」と何度も思ったことがありますよね。
特に難易度の高い曲を目標にしている人は、かなり悩ましい課題だと思います。
そこで今回は私が実際に使って良かったと思えたおすすめの教則本を、効果的な練習方法とともにご紹介していきます!
①17のメカニズム日課大練習 / タファネル&ゴーベール
どんなフルーティストに聞いても「とりあえずこれやってみて」といわれるであろう基本中の基本。
ピアノでいえばハノンのような、音階と分散和音で構成されている教則本です。
そのため音階練習やタンギングなどのアーティキュレーションの練習にも用いられます。
今回のテーマである“指を速く動かす”ことに特化した練習ができるのは、7番と17番です。
同じフレーズを3拍繰り返し、4拍目は次につながるように少し変化しているので絶妙な難しさになっています。
きっと3拍目までは問題なく吹けていても、4拍目でつまづいたりもたついたりしやすいはずです。
なのでまずは4拍目がきちんと吹けるテンポで練習してみましょう。
また、反復記号(:||)ごとに変わるメロディーは吹きやすいものと全然吹けない…!となるものがあると思います。
何度か練習して自分が苦手なメロディーが分かってきたら、その部分だけを他のメロディーと同じテンポで吹けるように
練習するのがおすすめです。
ひとまずテンポは♩=100、高みを目指したい人は♩=120を目標に頑張ってみてください!
もう一つのおすすめである17番は、トリル用のエクササイズです。
7番はさまざまな指のパターンを練習できるようになっていましたが、17番は1つのパターンを集中して練習できます。
指を速く動かすための練習はトリルの練習ではないので、通常の運指を使うようにしましょう。
例えば「ド・レ」の組み合わせはトリルキイを使えば簡単ですが、本来はほぼ全ての指を一度に動かす難しい運指です。
最初はどんどん指がバラついて、2小節を吹き切ることすらままならない人がほとんどだと思います。
途中で息を吸ってもいいのでとにかく遅いテンポから始めていきましょう。
これはかなりハードな練習なので無理は厳禁です!
②フルート教本 第2巻ーテクニック / トレヴァー・ワイ
この教本はタファネル&ゴーベールに近い内容になっていて、より簡潔に必要最低限のエクササイズが収録されています。
著者本人による具体的なアドバイスが書かれているので、タファネル&ゴーベールに苦手意識がある人でも取り組みやすいと思います。
この本で特におすすめなのが「マキアヴェリ流練習課題」です。
↓参考動画
著作権の関係上、楽譜を載せることはできないのですが、先ほどご紹介した7番を少し難しくしたものになっています。
7番は臨時記号がなくC-dur(ハ長調)が基本になっており、他の調を練習するためにはその数だけ倍の時間が必要です。
「マキアヴェリ流練習課題」のフレーズは1パターンのみですが、音が一つずつかつ半音ずつ下がっていくので一度に偏りなく練習できます。
こちらにもトリル用のエクササイズが載っているので、あわせてご活用ください♪
③フルート教本 第6巻ー高度な練習課題 / トレヴァー・ワイ
3つ目は同じシリーズの第6巻。
これは本当に私のテクニックを根本から変えたといえる一冊です。
フルート教本の第6巻には、フルートをより思いのままに操るために必要なことが書かれています。
そのため最初の7ページは全て文章なのですが、これを読むだけでもかなり上達のヒントが得られるはずです。
そしてその先にあるのが、指を速く動かしたい人に超おすすめのエクササイズ!
めちゃくちゃ種類は多いのですが、最初の4種類だけでもやってみるとかなり指が回るようになります。
モーツァルトの協奏曲やシャミナードのコンチェルティーノを目標にしている人は騙されたと思ってやってみてほしい(笑)
吹奏楽で速いパッセージに悩んでる人にもおすすめです!
どの教則本でも共通する注意点
指を速く動かすための練習をするときに気をつけるべき点は2つ!
- 指や腕に違和感が出たらストップする
- テンポは常に自己ベスト更新スピードで!
腱鞘炎になってしまったら元も子もないのですが、負荷をかけなければ指は速く動くようになりません。
ちょっと気をつけていれば吹けるテンポで何十分もやっていてもあまり意味はないので、すっころぶギリギリ手前のテンポでやるようにしましょう。
決めたテンポは楽譜にメモしておくのがおすすめです!
だんだん速さに慣れてくると指の動きに気を配れるようになってきます。
そこまでくれば十分に指はまわっているので、かなり楽に演奏できるようになっているはずです♪
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